minolta XG-E


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■この子と私 〜Xシリーズ中興の祖〜

XD-sから始まった私のミノルタ遍歴ですが、それには兄がXG-Sを使っていた影響が大きかったと思います。
写真を始めた当初は”自分の”機材というものを持っていなかったため、兄から標準レンズや望遠レンズを借りまくっては写真を撮りまくってました。

そんな兄にも同じミノルタ使いの親友がいて、その人が使っていたのがXG-Eでした。

修学旅行の時にサブカメラにと100-200のズームとセットで貸してもらい,一風変わった なで肩のフォルムが印象的だったのを覚えています。

同時に発表されたXDとは異なり、シャッターユニットを始めとする基本構成は後のX-700X-500などへ受け継がれる事になりますので、

”Xシリーズ中興の祖”

とも云うべきカメラです。

機種 (参考)
XD(黒)
XG-E 備考




(A)絞り優先AE 2 2 AEロック無し
(S)シャッター優先AE 3 -  
(P)プログラム 1 -  
(M)マニュアル 3 3  





明るさ 4 1 スリガラス
絞り値直読可 3 - 絞り値表示無し
(M)時シャッター速度表示 3 - マニュアル時露出計動作セズ
(M)時設定シャッター速度表示 3 - マニュアル時露出計動作セズ
交換式ファインダー - -  
フォーカスエイド - -  




メカニカルシャッター 1 -  
シャッター音 5 3 電子式
横走り布膜
1/2000以上 - -  



自動巻上げ 2 2 オートワインダーG
分割巻き上げ - -  
巻上げ感 4 3  


建付け 4 2  
塗装 5 2  
質感 5 3  
満足感 4 2  
合計 52 23  
Rating 10.0 4.5  

■Impression

巻き上げやレリーズボタンなどの触った感触はX-700などと似た感じです。

シャッターダイヤルは後継機のXG-S、CLEなどと同様にAEモード、ISO設定、露出補正等が組み込まれており、自動露出の仕組みに適ったとても合理的なデザインだと思います。

X-700のようにPモードが追加されてしまうと、このデザインは採用出来なかったと思いますが、使ってみると非常にわかりやすく、個人的には絞り優先AE+マニュアルのX-500やX-600にはこのデザインを踏襲して欲しかったと思います。

巻き上げの感触はミノルタの伝統?に則ってスムーズですが、X-700と比べると, 少しラチェットの具合が強い感じで、カリカリする感じです。(これはこれで、味があっていいんですが。)

私の個体の整備不良かとも思いましたが、他の数台やXG-Sなどでも同じようにカリカリしますので、XG-E,XG-Sあたりの世代特有の症状かと思います。

同じシャッターユニットが使われていると云われている、X-700とは明らかに異なったフィーリングなので、XG-S→X-700あたりの世代で、部分的な小改良がなされたのかな、と思います。

ファインダー内情報はAE時のシャッター速度のみと非常にシンプルです。絞り値は表示されません。
また、マニュアル時にはメーターは作動しません。

従ってマニュアル撮影の時には、一々AEモードに切り替えるか、単体露出計を使うか、はたまた全くの勘で撮ることになります。

その昔のライカ使いの方々などは、”撮影の最初にだけメーターで露出をちょっと計り、あとはまったく使われなかった”そうですが、それくらい名人っぽく使いこなせればカッコイイですよね。私などにはとてもとても無理ですケド。

スクリーンはミノルタ得意のアキュートマットは採用されておらず、後継機のXG-SやXD、X-700などと比べるとあきらかに暗く感じます。

従って、実用機としてみると

  • ファインダー情報が乏しい
  • スクリーンが暗い
  • プラス数千円〜1万円程度でX-700,500等が手に入る

などの弱点があり、X-500等が相応に安く手に入る現在では、実用機として今一つ魅力に乏しいのではないかと思いますが、

  • マニュアル可能なAE機としては最も安く手に入れられる
  • Xシリーズで唯一の「なで肩」フォルム
  • Xシリーズ第2世代?の始祖としての記念碑(^^;的存在

といった点に、XG-Eでしか味わうことの出来ない価値を見い出すことが出来ると思います。

■メンテナンス情報

XG-Eのメジャーなトラブルとしては、XEなどと同様に

ペンタプリズムの蒸着面腐食

が良くみられます。

腐食が起きた場合は、ミノルタのSSでは対応不能ですが、カメラ修理で有名な、日研テクノさんなどで再蒸着のサービスをやっておられるので、修理することも可能なようです。

私の場合は腕試しを兼ねて腐食した箇所を清掃してミラーを貼付けてみました。

普通のミラーですと裏面に蒸着されているため、貼付けた状態では反射面の位置に差が出てしまうため、貼りつける鏡は表面鏡である必要があります。
適当な材料をずいぶんと探しましたが、灯台もと暗しで、一眼レフのミラーが一番身近にある素材でした。

ミラーを貼りつけてみると、遠目には貼りつけた部分に境目が見えますが、ファインダーに目を近づける(ピントを合わせる状態)とほとんど気にならなくなり、実用上は問題ありませんでした

上記プリズム腐食のほか、軍幹部左側のダイヤルもプラスチック製のためか、爪が折れたり、クリックストップ用のボール(直径1mm程度の金属球)が無くなったりするため、

クリックストップが出来なくなって故障扱い

となっていることも良くみかけます。

ここは比較的簡単に分解できるところなので、替わりのボールさえ手に入れば簡単に直すことが出来ます。

■中古相場

<2005年3月>→

デジ一眼が定着してきた余波を受け、全体的に中古銀塩カメラの相場は下落気味と思いますが、XG-Eは底値を打った感があります。(下がるところまで下がったというべきか...(^^;)

銀塩カメラが最早「交換レンズを使うための趣味のモノ」となっているので、2千−5千と云う相場は、趣味を楽しむためのちょうど良い価格帯なのかもしれません。

ただ、中長期的に、今のような「どこでも気楽にフィルムが手に入り、どこでも現像をやっている」状況が変われば、かつての8mm映写機などのように、相場はまた一気に(それこそ数百円とかくらいまで)下がってしまうのだろうな、などと思います。

<2003年7月>

流通量はミノルタXシリーズの中でも1.2を争うほどに豊富で、当時こんなに売れていたのかと思うくらい、いつ探しても大体見つけることが出来ます。

程度はまちまちですが、プリズム腐食を起こしている場合がかなり多いようで、注意が必要です。

プリズム腐食を起こしていると、大体ジャンク扱いで出されることが多く、値段も2-5千程度です。

状態の良好な個体ですと、少し値は上がるようですが、それでも4千-8千と、1万円を超えることはほとんど無いと思います。



昭和54年2月 MINOLTA XG-E カタログより
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