minolta X-1


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■この子と私 〜孤高の最高級機 〜

言うまでもなく、ニコンF2、キャノンF-1に対抗すべく、ミノルタが投入したXシリーズ最高級機。

学生時代から存在は知っていましたが、AEファインダーの船底型になじめず、今ひとつ所有欲が湧かない機種でした。所有に踏み切ったのは、X-1MOTORが如何にも重かったことと、分割巻き上げが可能なためです(^^;

X-1は来るべきAE戦国時代に覇をとなえんとする気概をしめすためか、それまでのシリーズ名”SR”を捨て、新たなシリーズ名”X”を冠した記念すべき第1号機でしたが、販売的には苦戦したようで、結果として最初にして最後の最高級機となってしまいました。

歴史にifは禁物ですが、

同じくニコンの牙城に殴り込みをかけたCanonF-1の発売が1971年。X-1の発売が1973年。
それ以前はどちらもニコンFに相当する機種を持っていなかったのですから、もしこのわずか2年の差がなかったら。

ひょっとすると1980年代にX-1の後継機というものを見ることが出来たのかもしれません。
そんな夢想をしながら使うのも一興なカメラです。


機種 (参考)
XD(黒)
X-1 備考




(A)絞り優先AE 2 2 AE,AE-Sファインダー装着時のみ。
AEロック無し
(S)シャッター優先AE 3 -  
(P)プログラム 1 -  
(M)マニュアル 3 3  





明るさ 4 1 スリガラス
絞り値直読可 3 2 上側表示
(M)時シャッター速度表示 3 3 追針式
(AEファインダー時)
(M)時設定シャッター速度表示 3 3 太バー
(AEファインダー時)
交換式ファインダー - 3 6種類
フォーカスエイド - -  




メカニカルシャッター 1 1 B,X(1/100秒)のみ
シャッター音 5 4 電子式
横走りメタル
1/2000以上 - 5 Max.1/2000秒



自動巻上げ 2 -  
分割巻き上げ - 3 Xシリーズで唯一可能
巻上げ感 4 3  


建付け 4 4  
塗装 5 3  
質感 5 4  
満足感 4 4  
合計 52 48  
Rating 10.0 9.0  



■Impression

モーター専用機のX-1MOTORとは異なり、手巻き専用機(^^;です。 撮影モードは絞り優先AEとマニュアルになります。
デビューが1977年とAEロックが一般的になる前でしたので、AEロックはありません。
マニュアルに必要な3要素「絞り、設定シャッター速度、露出値」が全てファインダー内で確認できるので、一応フルメータードマニュアルだと解釈しています。

ファインダーは交換式で、発売当初は
 ・AEファインダー
 ・追針式マニュアル(通称Mファインダー)
 ・プロフェッショナル(通称Pファインダー)
 ・ウェストレベル
 ・高倍率ファインダー
の5種類用意されていました。

このうち絞り優先AEが可能なのはAEファインダーのみです。
独特の船底形状をしていますが、AUTOの位置にダイヤルロックが無く、AUTOから何ら躊躇無くマニュアルに切り替えられるので、個人的には極めてGOODだと思っています。

追針式マニュアルはAEファインダーからAE機構を除いたもので、NikonF2でいえばフォトミックファインダーに相当する感じです。
当時最高級機に自動露出を組み込んだのは初めてでしたので、保守的なユーザー向けに用意されたのかな?と思いますが、個人的には今一つ存在理由がナゾのファインダーです。
その他のファインダーは露出計すらついておらず、完全なマニュアルのみになります。

X-1が登場した3年後のX-1MOTORの発売と同時にAE-Sファインダーが登場しました。
秒間3.5コマに対応するため、受光素子に反応速度の速いSPDを使用し、かつLEDによるステップレス表示になっています。
ただ私の所有するX-1のうち1台は初期型のためか、AE-Sファインダーを装着してもAUTOが利かずミラーアップしてしまいます。
もう一台の後期型では問題なく使用できているため、交換式ファインダーと言ってもボディーとの相性があるようです。

明るさは、スクリーンが当時一般的なスリガラスであったため、アキュートマットを搭載した機種と比較すると暗く感じます。

ファインダー内の情報は、撮影に必要な3要素「絞り値、設定シャッター速度、露出値」の全てが、全ての撮影モードで確認できます。ただし、絞り値はファインダー内の上側で、XD/X-700の下側表示に慣れてしまった私にはやや見づらく感じます。(目線移動は上側より下側の方が移動し易いように思います)

シャッターはチタンを使用したX-1系専用の金属横走り式で、Xシリーズでは唯一の1/2000秒を実現しています。
シャッター音も他のXシリーズとは一線を画し、高音の成分がやや強いものの、全体的には静かで好みな音です。 (シャッター音はこちら)

巻上げ感は,XEはもちろんのこと、XD/X-700等と比べてもおよそ滑らかとは言い難く、またトルクも重く感じられますが、悪名高いNewF-1と比べると遙かに滑らかです。
また、分割巻き上げが可能(←これはXシリーズで唯一)なため、慣れると思いのほか心地良く感じられてきます。

とにかくロックという物がほとんど無い機種で、使っていて煩わしさをほとんど感じさせない良いカメラだと思います

■中古相場

<2002年12月>↓
一頃の高騰も落ち着いて、程度の良いものでも4万−5万程度まで下がってきました。そういえばF2、NewF-1も最近下落傾向のように思います。

この時代の中古カメラ市場はこれからどうなってゆくのでしょうか。
多様化の一途をたどる趣味のカテゴリーの一つとして静かに続いていくのか、はたまたカメラの寿命と共にゆっくりと下火になっていくのでしょうか?
短い間のWatchですが、そんなことを考えてしまいました。

<2002年9月>↑
最近のロッコール評価の上昇傾向を受けてか、相場は上昇気味です。

”ロッコールの使える最高級機”という単純な図式のためか、少し程度の良い物だとすぐに6万以上の値が付いてついてしまうようです。 先日とある中古屋で”新品同様14万”というのを見てブッたまげてしまいました。ホントに売れるのかな?)
かくいう私も我慢できずに相場(?)で買ってしまったクチなのです(T_T;。昨年くらいなら4万ほどで買えたと思ったのですが。早く買っておけば良かったと後悔しています。

もっとも当時14万くらいしていた機種ですし、やっと同時代のNikonF2、CanonF-1並の値が付くようになってきた と考えられ無くもないですが、絶対数が少ない(と思われる)ためか、やや過熱気味な気もします。

このところX-700が1-2万、XDが2-4万くらいで安定してきたので、XD+1〜2万くらいが順当、という気がします。


X-1_07.JPG
X-1_08.JPG
X-1_08.JPG



昭和50年8月 minolta X-1 カタログより


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