minolta XG-S


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■この子と私

写真に興味を持ち始めた時、未だ自分のカメラを持っていなかったので、よく兄のカメラを借りては使っていましたが、その兄のカメラがXG-Sでした。

当時はいくつもレンズを揃えるほどゆとりがあったわけでもなく、標準1本と虎の子の望遠135mmf3.5を使い倒してました。

そのうち熱がこもってきて自分のカメラ(XD-s)を手に入れるのですが、その後も良く借りては2台体制で出撃してました。

いまはいろいろな制約(^^;から荷物をかさばらせることが出来ないので、1眼レフ2台体制で出撃することがなかなか無いのですが、撮影に集中できる状況のときは、2台体制は本当に効率が良いです。

一番写真を撮りまくっていた時期に、XD-sのサブカメラとして使っていたので、私の中ではXD-s、NewX-700に次ぐほど使い倒した機種です。

機種 (参考)
XD(黒)
XG-S 備考




(A)絞り優先AE 2 2 AEロック無し
(S)シャッター優先AE 3 -  
(P)プログラム 1 -  
(M)マニュアル 3 3  





明るさ 4 4 アキュートマット
絞り値直読可 3 3 下側表示
(M)時シャッター速度表示 3 - マニュアル時露出計動作セズ
(M)時設定シャッター速度表示 3 - マニュアル時露出計動作セズ
交換式ファインダー - -  
フォーカスエイド - -  




メカニカルシャッター 1 -  
シャッター音 5 3 電子式
横走り布膜
1/2000以上 - -  



自動巻上げ 2 2 オートワインダーG)
分割巻き上げ - -  
巻上げ感 4 3  


建付け 4 2  
塗装 5 2  
質感 5 3  
満足感 4 2  
合計 52 29  
Rating 10.0 5.5  


■Impression

XG-Eの後を受けて1979年に登場した後、X-70が登場する1982年まで、Xシリーズの中堅ポジションを担っていました。

デザイン的にはペンタカバーの処理がペンタプリズムの形状に倣った形状で、無駄なラインが無いすっきりとした形状です。
また、軍艦部両肩の形状はXG-Eの”なで肩”から、一般的な直線型へと変更されています。

当時のラインナップ上は

  • 横綱 : X-1MOTOR (雲の上の存在)
  • 大関 : XD (多機能な中心機種)
  • 関脇 : XG-S (機能割り切りの普及機)

    といった具合に、XDのサブ機といった位置付けでしたので、

    デザイン的にもXDと統一感があり、

    個人的にはXDと共に一番好きなデザインです。

    機能的には絞り優先AE+マニュアルと、当時のオーソドックスな機能でまとめられていますが、XG-Eと同様、

    マニュアル時にはシャッター速度は表示されない

    ので、実用上は絞り優先AE機と捉えられます。
    私は殆どAEしか使わないので、これで十分でしたが。

    シャッターダイヤルはXG-Eと同様に、AEモード、ISO設定、露出補正等が組み込まれており、 自動露出の仕組みにかなった、とても合理的なデザインだと思います。(露出補正の+1がISO設定値の2倍と等価となることが見た目でわかる)
    X-700のように3モードの場合はこういった芸当は出来なかったと思いますが、使ってみると非常にわかりやすく、個人的にはAE+マニュアルのX-500やX-600にはこのデザインを踏襲して欲しかったと思います。

    ファインダーには、

    XG-Eでは見送られたアキュートマットがようやく採用され、

    XDとほとんど同じ明るさのファインダーになりました。
    また、ファインダー内に絞り値も表示されるようになり、XDと併用していても、違和感なく使えるようになりました。

    アクセサリー関係では、裏蓋を開けたところに接点がないため、データバックはコードタイプのデータバックGしか使えません。(付けるとちょっとナサケない)
    また、自動巻上げも秒間2コマのワインダーGしか使えません。

    したがって、機能的には

    • アキュートマット採用による明るいファインダー
    • ファインダー内に絞り値表示を追加

    と、XG-Eに比べて実用度は向上していますが、

    • マニュアル時に作動しないメーター
    • アクセサリーが貧弱

    といったXG-E譲りのデメリットは相変わらずで、絞り優先AE+マニュアル機としてみた場合は、後継機種のX-500の方が圧倒的に充実しているため、実用機として見ると今ひとつかと思います。

    ただ、XDの流れをくむ流麗なボディと明るいファインダーは十分魅力的で、

    当時のラインナップよろしくXDのサブとして使うのも粋なカメラ

    かと思います。

  • ■メンテナンス情報

    測光系の回路が同じと言われているCLEで不評が流れたためか、良くメーター周りの不調が伝えられるXG-E/XG-Sですが、私の周りにある4台のXG-E/XG-Sでは、運が良いのかすべて快調です。

    しかし、そのうち1台で、フィルム巻戻しクランク側についている、メインスイッチがスカスカになっていた事がありました。

    メインスイッチを開けると直径1.5mmくらいの金属球とスプリングがあるのですが、この金属球が無くなっていたのが原因でした。きっと前の所有者?が分解した際、無くしてしまったのが原因なのだと思います。

    どこからか(ボールペンだったかな?)金属球を調達してきて交換したところ、復活しました。

    分解する際には、金属球と同様にスプリングも無くしやすいので注意が必要です。

    ■中古相場

    <2004年12月↓>

    デジ一眼が定着してきた余波を受け、全体的に中古銀塩カメラの相場は下落気味と思います。
    XG-Sも例外ではなく、この頃は1万を超える事はほとんどないようで、概ね6千〜8千くらいが相場かと思います。
    黒ボディは依然として若干高めの値がつくことも有るようですが、それでも8千〜1.5万くらいかと思います。

    <2003年6月>

    XG系の中では比較的古い世代に属し、かつ機能的にもマニュアル時にメーターが使えないなどといった制約もある機種なのですが、なぜかXG系の中では高めの部類に属するようです。

    XG-Eが1万に達することがほとんど無いのに対し、こちらは概ね1万オーバーで、1〜1.5万くらいが相場のようです。
    特に黒が人気のようで、1.5万から2.5万くらいの値を付けています。

    流通量はXG-Eと比べると少な目のようで、大体1ヶ月に2,3台見かけるくらいだと思います。

    黒ボディはその中でも少なく、大体1ヶ月に1台見かける程度だと思います。



    昭和55年2月 minolta XG-S カタログより


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